第18回を迎え、今年の作品についてまず全体的に感じた印象は、非常に「夢のある発想」で独創的な視点から『あかり』を捉えているという事でした。「あかり」の存在が ”あたりまえ” になっていて普段意識しない生活要素にもかかわらず、子供たち(作者)はとても柔軟な夢とユーモアのある発想でその存在を表現していたことに大変感心させられました。原始と未来、生物とエコロジー、家族と暮らし、風景、キャラクター、そして夢。作品はそれぞれ『あかり』がもたらす喜びや文化、人々の交流、未来への可能性がアイデアとして存分に盛り込まれて、見ていてとても楽しい内容が多かったことが印象的でした。子供たちは今回、身近な『あかり』についてあらためて感じ、知り、考え、夢を描いたのだと思います。表現についても、それぞれ自由で個性的な手法に挑戦していて画材を工夫してある表現が多かったと思います。特に低学年の子供たちの作品のレベルが高く手数をかけてしっかり描き込んであることにも感心しました。親御さんや先生がたからアドバイスをもらうこともあると思います。子供たちが一緒に共感し、考え、作品を最後まで描き上げたという充実感はこれからの想像性の成長への大きな糧になるはずです。ポスターには強いメッセージ性が必要とされます。今年の作品も、使う言葉(文字)にも勝るとても強いメッセージが表現の中に溢れ、直接心に伝わる素晴らしい作品が数多く応募されました。今後もこのコンテストを通じて子供達の創造力がますます高まってゆくことに大きな期待を感じています。
審査委員長 山﨑 宣由
(東京藝術大学美術学部デザイン科・大学院美術研究科 准教授)
プロフィール
名前:榎本 鼓大
都道府県:東京都
学校名:千代田区立麹町小学校 3年
審査委員長講評
夜空を飛び回りながら、袋に入った「あかり」を夜空に次々と浮かべているなんて、とてもアイデアと夢のあふれる作品です。あかりの表現もとても優しく、そっとつかまえたくなる「あかり」が上手に表現されています。夜空を飛び回る姿も伸びやかで楽しそうな様子が良く伝わります。構図もバランスが大変良く、ポスターとしてのメッセージ性も高い、素晴らしい作品になりました。
名前:安井 聖斗
都道府県:北海道
学校名:函館市立東山小学校 4年
審査委員長講評
カラフルに色彩豊かで丁寧に街並みを表現した作品ですね。様々な家にそれぞれのあたたかな暮らしがあることが伺えます。文字の表現も1文字ずつ異なった色を重ねていて目を引きます。色は個性、そして「あかり」があるから色は見えるんですよね。文字をもう少し大きくはっきり描けるとポスターとしてもっと良かったですね。
名前:鈴木 奏子
都道府県:山形県
学校名:山形市立南沼原小学校 6年
審査委員長講評
ホタルをたくさん集めてこんな大きな「あかり」にするなんて、とても迫力があって綺麗なんだろうなぁ〜と思いました。様々な動きのある、たくさんのホタルの描写やたくさんの子どもたちの描写が、楽しく見応えのある作品です。影の表現もとても上手です。「あかり」の明るさが見る側にとてもよく伝わってきます。アイデアと描写において大変見応えのある素晴らしい作品です。
名前:村山 綺南
都道府県:千葉県
学校名:習志野市立東習志野小学校 4年
審査委員長講評
キラキラした「あかりのお花」が降り積もるほどにたくさん出てくる、とても素敵なスタンドライトのアイデアですね。きっと良い香りもするのでしょうね。一つ一つのお花を丁寧に繊細に様々な色で描いていて、とても時間をかけて描いた作品なのが伺えます。とても綺麗なポスターになりました。もう少し文字がはっきり見えるともっと良かったですね。
名前:三浦 莉子
都道府県:東京都
学校名:新宿区立西新宿小学校 5年
審査委員長講評
可愛らしい天使が「あかりの矢」で日本の様々な場所にあかりを届けてくれているんですね。とてもファンタジーで独創的な発想の作品になりました。色々な「あかりの矢」を世界各地のまだあかりの足りない国々にも届けて欲しいと思います。一つ一つのあかりを柔らかい表現で丁寧に描きながら、はっきりと強いメッセージのあるポスターになりました。
名前:井上 昂大
都道府県:神奈川県
学校名:川崎市立白幡台小学校 4年
審査委員長講評
電球をつなぐ電線で文字を描くアイデアがうまく表現できました。画面全体を使って良いバランスで構成できています。電球の表現もよく観察できていて、温かさが伝わってくるようなリアリティーのある「あかり」が描けています。とても人の目をひく作品になりました。もう少し文字(あかりの日)がはっきりわかると強いメッセージになりましたね。
名前:尾林 慎太郎
都道府県:静岡県
学校名:御殿場市立朝日小学校 2年
審査委員長講評
とても迫力のあるポスター作品です。地球全体が光に満ち溢れているように感じます。とにかく明るく元気な「あかり」そのもののエネルギーが伝わってきますね。色相の配分も華やかです。クレヨンと水彩絵の具のバランスが作者の勢いとポスターとしてのメッセージを上手に伝えてくれています。
名前:坂脇 心葉
都道府県:兵庫県
学校名:西宮市立北夙川小学校 3年
審査委員長講評
個性的な「あかり」のキャラクターが印象的ですね。それぞれのキャラクターが持っている、星や花やハートが私たちに「あかり」が何をもたらしてくれるのかを伝えようとしてくれています。色彩のはっきりした具体的な表現がポスターとしての強さを感じさせてくれます。
名前:季平 爾子
都道府県:広島県
学校名:福山市立山南小学校 3年
審査委員長講評
色とりどりの魚(鯉でしょうか)たちが「あかり」に向かって進んでゆく、なんとも幻想的で印象に残る発想ですね。魚の表現がとても繊細で、そして多彩でとても素晴らしいと思います。とてもたくさんの時間をかけて描いたことが伺えます。ポスターとしては、文字ももう少し大きく魚に負けない表現を工夫できたら、もっとメッセージが強くなって素晴らしかったですね。
名前:馬渕 宗志
都道府県:徳島県
学校名:国立鳴門教育大学附属小学校 2年
審査委員長講評
大胆な構図とモチーフで力強い作品になっています。電気ウナギの発電でたくさんの電球の「あかり」が灯るなんて水中が華やかになりそうですね。また、特に魚がとても手間をかけて描かれていて迫力のある表現が素晴らしいと思います。画面全体隅々まで多彩な色使いも素晴らしく、ポスターとしてのメッセージも強い力作です。
名前:岡本 彩佐
都道府県:徳島県
学校名:徳島市加茂名南小学校 3年
審査委員長講評
独創的な様々な「あかり」が楽しげに描かれていますね。絵の具の使い方が感覚的で、思わず顔を近づけて観たくなる細やかで色彩感覚豊かな表現になっています。ちぎり絵のような面白さと美しく優しく温かみのある雰囲気がとても素晴らしい作品になりました。カラフルな文字の表現も作者の意図がよく伝わってきます。
名前:天野 太晴
都道府県:神奈川県
学校名:茅ケ崎市立茅ケ崎小学校 1年
審査委員長講評
思いっきり好きな色をたくさん使って描けていますね。作者が作品にとても入り込んでいるのが感じられ、楽しんで描いていることがとてもよく伝わってきます。「あかり」の大きさと広がり、たくさんの人が集まる様子までも細部にわたり描きこまれ、画面全体隅々までしっかりと着彩されていていることも素晴らしいです。感覚的で素直で力強い作品になっています。
名前:伊勢 寛記
都道府県:徳島県
学校名:徳島市助任小学校 2年
審査委員長講評
風景にある「あかり」を象徴的なモチーフとして迫力ある構図で描かれていますね。毎日の暮らしにある「あかり」の役割がとても大切であることが強いメッセージとして感じられます。きっと古くから船の行き来を守ってきた「あかり」なのでしょうね。しっかりと時間をかけて描けている事がうかがえ、表現も色彩も感覚よく多彩でとても見応えのある素敵な作品です。
名前:飯國 莉奈
都道府県:福島県
学年: 2年
名前:佐藤 幹太
都道府県:千葉県
学年: 1年
名前:ウォン虹心アリソン
都道府県:東京都
学年: 1年
名前:中川 陽愛
都道府県:東京都
学年: 2年
名前:山田 美由紀
都道府県:東京都
学年: 2年
名前:田中 瑛祷
都道府県:東京都
学年: 3年
名前:浅野 弘幹
都道府県:東京都
学年: 4年
名前:岡本 和奏
都道府県:東京都
学年: 6年
名前:北村 涼香
都道府県:東京都
学年: 6年
名前:井上 徳二郎
都道府県:神奈川県
学年: 2年
名前:國松 千渚
都道府県:神奈川県
学年: 3年
名前:秋野 晃汰
都道府県:神奈川県
学年: 3年
名前:古茂田 あかり
都道府県:神奈川県
学年: 4年
名前:白鳥 碧衣
都道府県:神奈川県
学年: 5年
名前:樋口 そら
都道府県:神奈川県
学年: 6年
名前:白木 伶奈
都道府県:岐阜県
学年: 3年
名前:桐生 歩乃
都道府県:愛知県
学年: 2年
名前:安藤 沙妃
都道府県:京都府
学年: 3年
名前:勝部 紗羅
都道府県:京都府
学年: 4年
名前:川根 萌恵
都道府県:大阪府
学年: 5年
名前:若林 凛太郎
都道府県:兵庫県
学年: 2年
名前:谷瀬 剛
都道府県:和歌山県
学年: 3年
名前:福田 隼士
都道府県:山口県
学年: 1年
名前:豊野 真弓
都道府県:徳島県
学年: 2年
名前:野田 萌生
都道府県:徳島県
学年: 4年
名前:村崎 遥香
都道府県:徳島県
学年: 5年
名前:田岡 由季都
都道府県:愛媛県
学年: 2年
名前:永田 七海
都道府県:長崎県
学年: 3年
山﨑 宣由 (Nobuyoshi Yamazaki)
東京藝術大学 美術学部デザイン科・大学院美術研究科 准教授
1969年
千葉県柏市生まれ
1989年
東京藝術大学 美術学部デザイン科 入学
1995年
東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻 修了 同年よりデザインフリーランスにてグラフィックデザイン・ プロダクトデザイン・デザインコンサルティングに従事。
2005年より大手情報通信メーカーにて各種デザイン及び デザインマネージメント、同社デザインセンター長を務め、2016年東京藝術大学デザイン科に着任。 グットデザイン賞、ドイツiF賞受賞ほか。