> 受賞作品 > 第15回 全国小学生ポスターコンテスト2015 結果発表
あかりといえば「花火、ホタル、ハロウィン」などをすぐに思いつくのでしようか、そんな使い込まれたモチーフでまとめた作品が数多くありました。指導する先生方やご家族の方々が、応募の際にヒントとして、子供たちに話をされたのかもしれません。
作品を作る大前提は、自由な発想です。これに枠をはめ込まないことが、大切です。たとえ、子供たちが花火であかりを描きたいと考えたとしても、子供たち一人ひとりに独自の花火の見方があるはずです。物語や思い出もあるはずです。ぜひ、それを引き出してあげてください。
そんな中で、「富士山と太陽」をモチーフにした作品がありました。残念ながら賞には選ばれませんでしたが、世界遺産、東京オリンピックといった世の中の動きを見つめて、日本のシンボルである富士山とあかりのシンボルである太陽を結びつけて表現しようとした視点が、他の作品にはないものでした。そんな独自の視点を持った作品も何点か見られ、とても新鮮でした。
作品を考える時、一つのアイデアが浮かんだからといってすぐに絵にするのではなく、幾通りかのアイデアを考え、それを自分の中で練り上げ、納得の上で絵に仕上げていくというプロセスを大切にしてあげてください。アイデアを熟成していくことで、ポスターとして完成度も高まっていくはずです。
審査委員長 長友啓典
(グラフィックデザイナー)
プロフィール
名前:小川彩香
都道府県:神奈川県
学校名:小田原市立三の丸小学校 6年
審査委員長講評
家族の物語があたたかく伝わってくる作品です。電球を包んでいる植物は、あかりで成長しています。花をくわえて巣に帰る鳥、沈む夕日、家並みなど静かに一日が暮れようとしている中で、家族が住む電球の部屋がひときわ輝きを増しています。あかりがつくる幸福感がとても上手に描かれています。暮れていく空のブルーをハイライトでていねいに描きました。作者のテクニックの確かさがうかがえます。電球を浮かび上がらせるようにクローズアップした全体の構成も、よく整理されており安定感があります。文字をポスターの上下に配置することで、物語が浮き立ってきてポスターに力強さを与えています。
名前:樋口そら
都道府県:神奈川県
学校名:川崎市立向丘小学校 3年
審査委員長講評
最優秀賞に選ばれてもおかしくない程、感心させられた作品です。大木に電球の実が実り、こうこうとあたりを照らしています。大木には、さまざまな人の暮らしがあり、あかりがそれを支えています。大木をドーンと中央に配置し、文字を木に彫り込むように表現したデザインがポスターとしての完成度を高めています。窓に映っているあかりのある暮らしが、もう少しわかりやすく伝わってきたらもっといい作品になったと思います。
名前:圓谷姫葉
都道府県:埼玉県
学校名:行田市立太田西小学校 4年
審査委員長講評
色彩感覚がストレートで、見る人の目に飛び込んできます。赤い地色に、黄色い電球のキャラクターが強烈です。電球キャラクターから放たれているのでしようか、ピンクと黄色の光りの球は、これまでにない表現です。少女のグリーンの服が、不思議な色のハレーションを起こして、目に焼きつきます。文字も「10月21日は」を赤色で、「あかりの日」を黄色で表現するなど、色の使い方に優れたものを感じさせる作品です。
名前:今井二葉
都道府県:岐阜県
学校名:美濃市立美濃小学校 4年
審査委員長講評
少女たちが持つローソクのあかりと、「10月21日はあかりの日」の文字に灯るあかりを共通のデザインにして、「あかりの日」を伝えようとする狙いが感じられます。このデザインの考え方に感心しました。三人の少女と月の目と口を同じ曲線で描いているのに、みんな表情が違うところにも面白さを感じました。全体の色調やキャラクターも4年生らしい感性が素直に表れていて、好ましい作品に仕上がっています。
名前:本村遥凪
都道府県:鹿児島県
学校名:鹿児島市立吉野東小学校 4年
審査委員長講評
「楽しいあかりのあるくらしを描こう!」という今年のテーマを、家族のだんらんとあふれる光というシンプルな発想で描いてくれました。家族はそれぞれの過ごし方を楽しんでいますが、みんなの気持ちはつながっているように見えます。それは、この場所には、みんなを照らすやさしいあかりがあるからという作者の思いが込められているからです。
名前:千代田藍子
都道府県:宮城県
学校名:仙台市立黒松小学校 5年
審査委員長講評
かわいい作品は数多くありましたが、この作品からはあたたかさも伝わってきます。大きな電球の光の下で、「あかりの日」の絵本を読んでいるのでしようか。窓からは、月や街灯が見え、夕食後の幸福感が画面いっぱいに表現されています。全体をやさしい色使いでつつみ、あかりの中の家族の楽しさが素直に伝わってきます。「10月21日はあかりの日」の文字もやわらかいのですが、よく目立っています。
名前:中﨑七海
都道府県:東京都
学校名:杉並区立荻窪小学校 5年
審査委員長講評
表情の愛らしさが伝わってきます。伏せた目で人間の表情を描くことは難しいのですが、この作者はとても上手に仕上げています。少女と大好きな猫がすやすやと眠っているかたわらで、動物たちがやわらかなあかりを灯し続けています。動物たちのあかりは、花になって夜空を降るように少女と猫をつつんでいます。これはメルヘンの世界です。あかりを通して、透明な空気感を作者は伝えたかったに違いありません。
名前:高橋要
都道府県:京都府
学校名:京都市立乾隆小学校 5年
審査委員長講評
3年前に最優秀賞を受賞した作者の作品です。描き方が少しも変わっていませんが、これはすごいことです。中学生になっても、この描き方を続け、突き詰めていったら将来が本当に楽しみです。細部にわたる観察力にも優れたものがあり、見る人を楽しませてくれます。何より素晴らしいことは、このように細かく描くことを作者自身が楽しんでいることです。好きだということが伝わってきて、うれしくなります。
名前:人見愛花
都道府県:栃木県
学校名:那須町立田代友愛小学校 6年
審査委員長講評
ちょっと大人っぽい不思議な世界が描かれています。画面いっぱいに放たれた光を持つ、自由の女神のような女性の表情が素敵です。構図がとてもシンプルで、ポスターとして強い伝達力を持っています。また、「10月21日はあかりの日」という文章の並びを左右逆転させ、「あかりの日」を最初に目が行く右側に配置し、色も目立つ赤を使い強調しています。大人っぽいというのは、表現だけでなく、こんな工夫にも見ることができます。
名前:本沢めぐみ
都道府県:栃木県
学校名:那須塩原市立東原小学校 6年
審査委員長講評
発光体からのびる光線が、とても美しく描けています。定規などを使わずに、筆でていねいに手書きをしていると思いますが、なかなかできないことです。この作者がどのようにして描いているかを想像したくなるような作品です。こんな作品に出会えるのも、このコンクールの楽しみです。今回受賞して、自信をつけ、描く楽しさを感じながら将来も描き続けていけば、必ず次のステップにつながります。
名前:小野智恵子
都道府県:千葉県
学校名:習志野市立谷津小学校 6年
審査委員長講評
対岸には、街のあかりでしようか、海に映し出されています。空には、星がまたたき始めたようです。見る人は、想像力をかき立てられ、思わず見入ってしまうようなポスターです。電球など具体的なものは何も使わずに、あかりを表現しようとした発想に驚かされました。子供にとって、このような方法で、あかりを表現することは最もむずかしいことですが、この作者は見事にそれをやりとげています。
名前:塩沢友希
都道府県:東京都
学年:1年
名前:矢島郁大
都道府県:東京都
学年:1年
名前:山本愛紗
都道府県:東京都
学年:1年
名前:姜仁成
都道府県:大阪府
学年:1年
名前:藤木琴
都道府県:千葉県
学年:2年
名前:会田力也
都道府県:東京都
学年:2年
名前:高木ゆきま
都道府県:東京都
学年:2年
名前:木下七海
都道府県:東京都
学年:2年
名前:生出幸優
都道府県:神奈川県
学年:2年
名前:本間晴人
都道府県:千葉県
学年:3年
名前:江島未彩
都道府県:東京都
学年:3年
名前:髙橋芽生
都道府県:神奈川県
学年:3年
名前:藤原彩葉
都道府県:神奈川県
学年:3年
名前:船津希凛々
都道府県:愛知県
学年:3年
名前:蛭田百代
都道府県:東京都
学年:4年
名前:石山遙
都道府県:神奈川県
学年:4年
名前:髙橋由依
都道府県:神奈川県
学年:4年
名前:石下茜音
都道府県:神奈川県
学年:4年
名前:小野さゆり
都道府県:神奈川県
学年:4年
名前:山口奈津美
都道府県:岡山県
学年:4年
名前:木村涼音
都道府県:埼玉県
学年:5年
名前:薛瑜?
都道府県:東京都
学年:5年
名前:平山聖大
都道府県:神奈川県
学年:5年
名前:柳原杏美
都道府県:兵庫県
学年:5年
名前:杉本奈緒
都道府県:岡山県
学年:5年
名前:伊沢直留
都道府県:徳島県
学年:5年
名前:松永梨生奈
都道府県:東京都
学年:6年
名前:李光帆
都道府県:東京都
学年:6年
名前:若月柊一郎
都道府県:徳島県
学年:6年
名前:矢島菫
都道府県:徳島県
学年:6年
長友啓典 (Keisuke Nagatomo)
グラフィックデザイナー
1939年
大阪に生まれ。
1961年
桑沢デザイン研究所卒業・
日本デザインセンター入社
1966年
日宣美賞受賞
1969年
黒田征太郎とK2 設立
1973年
東京アートディレクターズ
クラブ賞受賞
1974年
ワルシャワポスタービエンナーレ銅賞
1982年
K2 文化の金字塔
(東京・大阪)
1983年
「まっかなホント」黒田征太郎と共著(講談社)
1984年
講談社出版文化賞さしえ賞受賞
・ニューヨーク近代美術館
ポスターコレクション
1990年
コレクションから選んだ最近の日本のポスター展
(ニューヨーク近代美術館)
1992年
「ともかく挿絵展」
(東京デザイナーズスペース)
1993年
青葉益輝・浅葉克己両氏と「○△□アートディレクターの発想・現場・定着」出版
(メディアファクトリー)
1996年
大阪府立天王寺高校100周年
記念100点ポスター制作
2001年
第22回日本宣伝賞山名賞受賞
2006年
第37回 講談社出版文化賞
【 ブックデザイン賞 】受賞