あかりの歴史を振り返ろう
あかリを4つに分けた
Lighting(1.0~4.0)のお話
人類は、二足歩行をすることで手が自由になりました。その手で道具を使い、最初は木と木をこすり合わせて火という「あかり」を手に入れました。それが、「たき火」や「たいまつ」です。その後は、動植物の油を器に入れて灯し、あかリにしていました。
紀元前3世紀頃には、ミツバチが巣を作るために出す蜜蝋を用いた「蜜蝋ろうそく」が造られていたと言われています。わが国には、奈良時代に蜜蝋ろうそくが伝わり、その後、和ろうそくへと発展します。江戸時代になると、小さな皿に油を入れて灯しそのまわりを角形や丸形の枠に紙を張った「あんどん」や竹ひごなどに紙を貼りろうそくを中に入れて照らす「ちょうちん」へとつながります。
江戸時代後期に「石油ランプ」が伝わりました。石油を芯に吸わせて灯した火は、ガラスカバーで覆われ火が風で消えないように守っていました。
明治時代になると西洋式「ガス灯」が街灯として登場します。1872(明治5)年に横浜の馬車道通りに、1874(明治7)年には東京の銀座通りにも西洋式ガス灯の街灯が造られました。
1879(明治12)年10月21日、トーマス・エジソンが「白熱電球」を発明しました。今までの何かを燃やして灯すあかリとは異なり、電気を流して光るあかりでした。詳しくは、子どもあかリ教室内「エジソンと白熱電球」をチェックしよう。
わが国では、1887(明治20)年に東京で一般家庭向けに電気の供給が始まり、その後、白熱電球が広く普及しました。
1900年前半には「放電灯」が登場しました。
放電灯の仲間は、蛍光ランプ、水銀ランプなどです。ガラス管の中に少量の水銀やガスなどを入れて電気を流し、光らせるランプです。中には、紫外線を多く含んだ光を出していたランプもありました。
蛍光ランプは、少し前まで家庭内でシーリングライトやペンダント、デスクスタンドなどに使われていました。また、店舗や工場でも多く使われていました。
水銀ランプは、体育館や工場の天井の照明、商店街の街路灯などで使われていました。
LEDは、Light Emitting Diodeの頭文字を取ったものです。日本語では発光ダイオードと呼ばれています。2007年に一般家庭用の電球形LEDランプが登場し、その後、LEDと器具が一体となったLED照明器具が続々登場しました。このLEDを光を放つ元(光源)とした「LED照明」はLighting 2.0や3.0の光源に比べて、消費電力が少なく(省エネ)、寿命が長い、紫外線をほとんど含んでいない光なので物を傷めにくい、すぐに明るくなる、水銀を含まないので環境にやさしいなどのメリットが多いあかりです。これらのメリットが広く知れ渡り、現在では、白熱電球や蛍光ランプなどに換わり、家庭・店舗・オフィス・屋外照明などで、数多く使われています。
LED照明に「健康」「安全」「快適」「便利」の4つの価値がプラスされた
Lighting 5.0の代表例を紹介します。
生体機能をサポートするあかり
高齢者に寄り添うあかり
良い睡眠をつかさどるあかり
【良い睡眠をつかさどる寝室のあかりの例】
停電時に自動点灯して支えるあかり
遠くの家族を見守るあかり
災害を検知して知らせるあかり
【停電時に自動点灯するシーリングライトの例】
生活シーンに併せて変化し、彩るあかり
自然光を感じさせるあかり
スピーカーやプロジェクタなどの機能を持つあかり
【スピーカーの機能を持つダウンライトやシーリングライトの例】
人を検知し、非接触でON/OFFするあかり
周辺のあかリを検知し、自動調光するあかり
スケジュールに連動するあかり
【自動調光するシーリングライトの例】
【音声でON/OFFするシーリングライトの例】